インフルエンザウイルスA,B型の感染により発症します。潜伏期は1~7日で流行はおおむね12月に始まり3月に収束します。発熱(37度台後半〜40度)、寒気、咽頭痛、頭痛、関節痛、倦怠感、咳嗽、鼻炎、などの症状で発症します。発熱は2〜3日で解熱しますが、その後、半日程度一旦37度台になり、38度台以上の高熱相となることもあります。
RSウイルス(Respiratory syncytial ウイルス)による感染症です。潜伏期間は4~6日です。ウイルス抗原迅速検査で診断します。適応は1歳までとなります。年長児や成人が感染した場合は、上気道炎(かぜ)症状のみで治癒します。乳幼児ではその後に喘息の様な「ぜーぜー」した呼吸音を伴う細気管支炎や肺炎に進展しやすいです。特に生後6か月の乳児は重症化しやすいとされます。
対症療法で症状の改善を待ちます。呼吸状態の悪化、哺乳・水分摂取不良の場合は入院が必要な場合もあります。
ヒトメタニューモウイルス感染症
ヒトメタニューモウイルスによる感染症です。潜伏期間は4~6日です。ウイルス抗原迅速検査により診断されます。検査の適応は6歳未満となります。大部分はいわゆる「風邪」症状ですが気管支炎、細気管支炎、肺炎が引き起こされることもあります。喘息の様な「ぜーぜー」とした呼吸になる場合もあります。対症療法を行います。流行期は3~6月で、RSウイルスの流行が収束した後に流行することが多いです。
新型コロナウィルス
新型コロナウイルス(SARS-CoV2)による感染症です。潜伏期間は1~14日です。診断は鼻腔咽頭粘膜拭い液または唾液のPCR検査、抗原定量検査が行われます。多くの症例では発熱、呼吸器症状(咳、のどの痛み、鼻水、鼻づまり)、頭痛、倦怠感がみられます。中等症から重症では間質性肺炎からの呼吸困難、呼吸不全に陥ります。
小児領域では新生児の感染は少数であり、重症化はしにくいと考えられています。また、保育園・幼稚園、学校で集団感染が発生してはいますが、小児感染例の8割が家族からの感染です。感染予防にはマスクの着用が重要でありますが、2歳未満のマスク着用は推奨されていません。窒息や熱中症のリスクがあるからです。2歳以上であっても、体調に合わせて、十分注意したうえでマスク着用を行ってください。本人の体調が悪い場合や、持続的な着用が困難である場合は無理に着用する必要はありません。(WHOでは5歳以下のこどものマスク着用は必ずしも必要ないとされています。)
感染予防が重要です。手洗い、マスク着用、密閉・密集・密接の三密を避ける、ことが重要です。(詳細は厚労省HPなどをご参照下さい)。